国税庁が行う簡易な接触とは、文書や電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤り等がある申告を是正するなどの接触をいいます。ここでは、2024年(令和6年)12月に国税庁が発表した資料(※)から、相続税の簡易な接触の実施状況をみていきます。
上記調査結果から、直近5事務年度(7月から翌年6月まで、以下、年度)の相続税の簡易な接触件数をまとめると、表1のとおりです。
令和5年度(令和5年7月から令和6年6月まで)の簡易な接触件数は18,781件で、前年度より25.2%の増加となりました。4年連続の増加です。国税庁によると、簡易な接触件数の公表は平成28年度から始まり、令和2年度以降は最高件数を更新しています。
次に令和5年度の簡易な接触の内容をまとめると、表2のとおりです。
簡易な接触件数のうち、申告漏れ等の非違件数が5,079件ありました。前年度から37.8%の増加で、平成28年度以降で最高となりました。なお、簡易な接触件数に占める非違の割合は27.0%となっています。
また、令和5年度の相続税の実地調査件数は8,556件で、前年度から4.4%の増加です。実地調査に比べて、簡易な接触件数の増加が著しいことがわかります。国税庁は簡易な接触について、令和4年度に引き続き積極的に取り組んだとしており、今後もこうした傾向が続くことが考えられます。
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(※)国税庁「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」